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〈新時代宝箱〉№0013 「視覚障害者のスマホ(アイホン)の利用促進について」令和元年2019年11月4日(月)

会長 伊藤 和男   


携帯電話が、間もなくスマホのみになるという。凹凸がなく指で触れても、ただつるつるとするだけの画面で操作しなければならないスマホを、全盲の視覚障害者が使いこなすことができると思う人はかなり少ない。だが、晴眼者と同じように使う若い視覚障害者は意外に多く存在する。
従来型の携帯電話は、凸型のボタンを押すことで電話がかけられた。
そこで、多くの視覚障害者は便利に使用することができた。
とりわけ、単独の外出時においては、講習電話などを探しにくい視覚障害者にとって大変有効な通信手段となって来た。
しかし、ここにきて、その電話の生産が中止となり、スマホのみになってしまうというのである。

こうした状況は、時代の変化だと言ってしまえばそれまでだが、電話が命綱ともなっている障害者の立場に立てばそんなことは言っていられない。
特に自ら環境認知に困難を強いられる視覚障害者では、場合によっては、離れた所にいる知合いに電話で支援を乞うこともある。
そのようなときには電話が頼りだ。特に手元に常に持っていることのできる携帯電話は、他の人と繋がることの安心感を与えてくれる。

当協会は、上記のような問題を解決すべく、先日スマホ(アイホン)の研修会を開いた。
アイホンは、音声にも対応し、あまりスマホに慣れていない視覚障害者も操作可能である。
標準装備されている「ボイスオーバー」は、購入時から簡単に動かすことができ、話しかけるだけでも相当程度使いこなすことができる。
実際に最近利用し始めた高齢者の方も、「もっと早く使っていたらよかった」と感想を述べていた。
私自身も5・6年前から支援を受けながら使ってきたが、72歳になる今でも早めに使い始めてよかったと思っている。
以上のように、いつでも携帯できる電話は、視覚障害者にとって必需品となっている。
ところが、スマホへの転換が進んだ場合、視覚障害者にとってその操作上に困難が予想され、そうした状況をどのように克服するかが問題になる。

現在、千葉県内では、スマホを含めてITについて支援する機関は視覚障害者総合支援センターちばを含めて2か所である。
しかもこれらの機関は、視覚障害者が直接訪ねて支援を願い出なければ操作を学ぶことができない。
もともと外出しにくい視覚障害者が、スマホなどの操作技術を、乗り物を使って遠方から学びにいくことは大変厳しいと言わざるを得ない。
できれば視覚障害者は、自分の居住地域で学べることが必要であろう。

私たち千葉県アイパートナー協会は、このような状況を少しでも改善したいと考え、来年度には、県内で最低2カ所でアイホンの講習会を開こうとしている。
また、同時に地域で視覚障害者のアイホンの操作のサポートをしてくださるボランティアの講習会も開きたいと準備を進めている。
ただ、当協会は今年(令和元年)7月14日に立ち上げたばかりの団体で資金もなく、今福祉助成金の取得を目指して応募の準備をしているところである。
もし、私たちの思いに共鳴してくださる方がおられたら、是非、少額で結構ですのでご寄付(講師謝礼に充当)いただければ幸いである。さらに、アイホンのサポートならばやってみてもよいと思われる方がおられたら、是非私どもにお電話をいただければと思う(学生の方も大歓迎)。どうぞ、よろしくお願いいたします。

問い合わせ先電話: 090-4370-2522(会長、伊藤)

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