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〈新時代宝箱〉№0008 「台風15号と交通機関利用に思う」 令和元年2019年9月16日(月)

会員 中川 佳則   


2019年9月13日会員MLより(投稿者のご了解をいただきまして)

台風15号により被災された皆様、お見舞い申し上げます。
成田・八街・君津・館山方面はまだまだライフラインの復旧に時間がかかりそうな様相を呈しております。
一日も早い復旧を願います。
我が家は過去に経験した事のない風邪でずっと家が揺れていました。
幸いにして電気・水道が止まる事はありませんでしたが、マンションの5年前の大規模改修により水は電気が止まると出ないタイプへと切り替わりました。
つまり電気が止まればオール電化ではないはずの我が家は被災確定となります。
職場の方の多くは停電と断水に悩まされ、倒木や電柱が倒れた事による被害者も多く未だ復旧の目処が立たない家も数多くあります。

私は職場までバス通勤で通常40分前後、妻は電車と徒歩で都内へ片道2時間の通勤をしています。
月曜日は京葉線も10時頃から計画的復旧をするとの話でしたが復旧しても3割程度、そして総武線から外房線・内房線への乗り入れ、京葉線から外房線・内房線への乗り入れをしている為大混乱。

9年前の東日本大震災が思い出されます。あの時は生まれて初めて昼間に駅のシャッターが閉まっている光景を目にしました。

月曜日私はあの雨風で安全を優先して休む事を決めました。しかし、昼前には晴れてきて風も治まってきていたので出勤する事にしました。
電車は止まってもバスは動いているだろうと算段したからですが、最寄りの蘇我駅は西口も東口も人の列でいっぱい!
そうした方々は、まぁ美しくも点字ブロックの上に並んで居る訳です。
人の習性として線があればその線がどの様な意味を持っているかは無視され線の上に並ぶ習性があるそうですが、白杖を持って歩いていても白杖で突っついたとしても避けるそぶりすらありません。余裕がなければ尚更なのでしょう。

自分が障害を持っていたり、職業柄困っている人が居たら声をかける事は当然の事として認識していますが、明日自らが障害者になるかも知れないなんて誰も思っていないのでしょうね。
何の列か尋ねても答えてくれる人はいません。バスの行き先を確認しても教えてくださる訳もなく、乗務員に確認してももぞもぞ答えてくれれば良い方です。
この日私が職場に到着したのは14時半頃でした。歩いた方がきっと早かったでしょう。でも倒木が美智を塞いでいたり、自然災害の猛威に立ち向かうには危険すぎた事でしょう。
誰も文句は言いませんが、「こんな状況の中危なくて出勤出来ない!」と思ったとしても、みんな出勤して仕事出来る時間は殆ど無くても出勤しているんですよね。(汗)

妻は月曜日は電車が動いていませんでしたし、迂回路を使ったとしても通常とはおそらくだいぶ違う状況になっているであろう事から潔く休みましたが火曜日から出勤。整列乗車があるはずがイレギュラーな為か昨日までなかったそうです。
あってもなくても始発駅でありながら全盲が席を見つけて座る事は容易ではありません。
方向が解らなくなって尋ねても答えてくれなかったり、声を出せば自分たちが黙って避けるだけで声を出してくださらなければ何もこちらは解らないという事が理解出来ないのでしょう。
弱視の私でさえ、「あぁ、嫌だな」と思う事は多数ありますが、1つ1つが小さな事でも積み重なると疲労となります。

親切も難しくて、「お手伝いしましょうか?」は上出来で、自分がしてあげようと思った事と助けを求めている人の要求が違うと怒り出したり黙って立ち去る人も少なくありません。
「してあげたい」気持ちはとても有り難い事ですが、何を求めているのか、せっかくなら確認する余裕を持って欲しいなぁと思います。
こうした啓発活動はそもそも私は教育段階で「人と人とのコミュニケーション」として学ぶべき事の様な気がしています。と言っても伝える大人達にそうした知識や習慣がなければ伝わらないので考え物ではあります。

さて、話が行ったり来たりして読みにくいかと思います。ごめんなさい。

こうした事を言うと、「外出するのにヘルパー使えば良いじゃない!」とか、「よく一人で頑張るね」と言う人がいます。
そうする他ないし、買い物などで車が必要になったとしてもこうした援助をしていただける方がいる訳でもありませんし、あぁお友達いないんだなぁと自分に苦笑してしまいます。(笑い)

同行援護も使って見たいと思う事はあります。でも必要な時しばらく先の予定でないと組む事が出来なかったり、
仕事では使えなかったり。この辺りの制度はおそらくこの夏の参議院選挙で当選された障害者当事者の方々の働きによって変わってくるのかなぁとは思う部分もあります。
ただ、我が家の様に夫婦共に障害者で近隣には常時援助をお願い出来る親類もいない場合、出来る事は自分たちで、出来ない事はお願い出来る範囲で熟していく他ありませんよね。

さて、私は今の職場に来て12年目になります。
毎日バスを使っています。千葉中央バスの乗務員は両極端で中にはバスを降りてきて乗るのか乗らないのか確認する乗務員が居たり、逆に乗り口に片足を乗せて「○○行きますか?」と尋ねても答えてくれない乗務員もいます。
また、毎日千葉中央バスあるいは小湊鐵道バスのどちらかを決まったバス停で必ず使う訳です。殆ど同じ時間帯で使っていますから、これだけ長年利用していれば、正直学習していただいても良いのではと思います。

と言うのも私が利用するバス停は、上にも書きました様に会社が二つ、行き先は職場からだと2系統家の近所のバス停では3あるいは4系統あるので確認しない訳にはいきません。
そして列の後ろに並ぶと乗務員に確認する事すら困難な状況となります。乗りたかったけれど乗れなかったなんて事は日常茶飯事です。
人に尋ねるのはどちらかと言うと苦手ですが、目の前に並んだ人に確認すると直ぐ答えていただければ判断が出来ますが尋ねられた事にびっくりしてどぎまぎされるとその間にバスはドアを閉めてしまう訳です。

中川はこうして文句をたらたら書いているだけと思われるかも知れませんが、それなりに努力はしているつもりです。
バス会社には時々電話して事情を説明した上で行き先案内をして欲しい旨常に伝えています。

視角障害者団体にも同様に伝えたりお願いしたりしますが、「バス会社には要望しているんですけどねぇ、近隣住民から苦情が出るからマイクを通して案内しないとか、テープアナウンスも同様で」と言う反応だったり。
失礼ながら、バス会社も視角障害者協会も他人事で「やることはやっているんですよぉ!と言うだけ。だからという訳ではありませんが、バスは電車より嫌いです。(笑い)
昨日の話になりますが、あまりにもバスが来ないので、バス停に止まった小湊鐵道バスの乗務員に、「しばらく待っているけれどもバスが来ない!」と話尾すると、
「何故来ないかは私には解りません。」との事。自分が運転するバス以外の事なんて知らないと言った感じでした。
致し方なくバス会社の事務所に電話してバスが来ない事を尋ねると、「台風の影響で車両の都合がつかなくてその時刻のバスは運休です。」との事。乗務員には周知しているはずですと言うので「知らないと言われたし、そういう事って社内で周知されていないのか」と確認しました。
なんと逆ギレ!「私に言われても!」と言われてしまいました。非常事態ですから解らなくもありませんが、これ逆クレーマーですよ!(笑い)

台風とは関係ありませんが、最近JRでは「声かけ運動をおこなっております。」というアナウンスが駅で流れていますよね。お願いすれば目的地までリレー式に案内してくれる良き時代になりました。
しかしながら、ホームからの転落事故を受けてか、よくお手伝いいただける様にはなったのですが、もう少し何とかならないかと。。。
勝手な言い分かも知れませんが以下に列挙します。

1.声をかけていただけるのであれば、どんなサポートが必要か、そしてそれを最低限達成する為の橋渡しはしてほしい。
2.この電車に乗りたいと言った場合、席が空いていようが空いてなかろうが入り口にポンと乗せて放置するのは止めて欲しい座っていきたいが為にわざわざ空いている路線を選んだりしている事もあります。
3.駅の改札で援助を依頼した際、とにかくその依頼に対してのみ動いて欲しい。
最近よくあるのですが、乗り場や乗り口が解らないので援助をお願いする事があります。下車する駅が普段利用している駅で乗車時のみヘルプが必要な事があるのですが、JRではこれがなかなか許されないのです。「責任を持って案内する義務がある」と言って乗り換え駅や下車駅と連絡を取り、例え30分40分余裕を見てお願いしても、連絡が取れなければ電車に乗る事も出来ません。そして「電車見送ります」と言われてしまいます。結果乗車駅だけの案内だったとしても下車駅で黙って後ろから着いて歩かれたり。。。皆さんにはありませんか?「見られている」と思うと注意力が散漫になりかえって危険な事が。。。

少しこうした事に疲れている我が家です。

この災害を教訓に多くの方が理解をしていただけるよう私も団体とともに活動と発信をし行きたいと思います。
少しでも皆様にご理解をいただけますと幸いです。

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