〈視覚障害者のためのiPhone(アイフォン)研修会受講者募集〉
会長:伊藤和男
新型コロナウイルスの感染は、ついに人々の生活を変えるまでになりました。感染予防のために提唱された「新しい生活様式」は、日々の暮らしの中で、健常者の比べて多くの支援を要する障害者に、様々な生活上の困難を強いることとなりました。とりわけ情報不足に陥りやすく周囲の人々と接触することの多い視覚障害者は、ソーシャルディスタンスを取らなければならないことで、生活上欠かせない同行援護のガイドや対面朗読などの支援を受けにくくなってしまいました。このような事態は当然解決していかなければならない課題ですが、同時に視覚障害者自身も努力し積極的に単独で必要な情報を獲得していくことが求められます。
私たち千葉県アイパートナー協会は、今回のコロナ問題が生じる前の昨年から、視覚障害者の情報不足を解消するためにiPhoneの研修を企画し実施してきました。日頃から必要な情報を得にくい視覚障害者は、日常的な情報はもとより災害時の命に係わる様々な情報にたどり着くことが困難です。
最近、ガラケーの携帯電話が姿を消していく中、視覚障害者にとって扱いにくい画面操作のみで使用するスマホは、所持することをためらいがちですが、電話機能に加えて視覚障害者が日常生活を行う上で必要な様々な情報を提供してくれます。
スマホの中でもiPhoneは、ボイスオーバーという音声アプリが標準搭載されており、購入と同時に直ちに視覚障害者も使用することが可能です。昨年行われた調査では、世界で多くの視覚障害者が使用していることが伝えられています。
今回、千葉県アイパートナー協会は、このように視覚障害者の日常生活にとって有益な「iPhone」を、できるだけ多くの視覚障害当事者に使用していただきたいと考え、ヤマト福祉財団のご厚意による助成を受けて研修会を実施することになりました。
つきましては、iPhoneを使用してみたいと思われている視覚障害当事者と、その支援を行っていただけるボランティアの皆様の受講希望者を募集いたします。是非、多くの皆様の応募をお待ちしています。
なお、支援ボランティアとしてのご希望の方は、できる範囲でこの先長く支援活動にご協力いただければとも考えています。また、視覚障害者のご家族で、身内の方のみの支援にあたりたい方についても歓迎します(その場合は、ご一緒に受講されることが望ましいでしょう。)。
以下に、未熟な使用法しかできない私でも、便利だと考えているiPhoneの機能を挙げておきますので、受講の参考にしてください。
- 電話機能(フェイスタイムで相手の顔を見ながらの通話も可能)
- メール送受信
- メモ機能
- カレンダー機能(スケジュール)
- カメラ機能(ビデオも)
- 計算機機能
- 天気予報
- 健康管理
- インターネットの閲覧
- ラジオを聞く
- 新聞記事を読む
- 災害情報の確認
- スマートニュースを読む
- 印刷物を読む
- スイカやナナコ等の残高確認
- 紙幣の金額確認
- 乗り物の時刻表
- 色の確認
- オンライン通話(スカイプやライン、ズーム等で会議が可能)
- その他(様々な機能は、設定することでいずれも音声で操作できます。)
1. 日程と会場等
現在、新型コロナウイルスの感染予防のための自粛期間が解除されたばかりであり、日程と会場は、今後受講者の集まり具合を見ながら決定して行きたいと考えています。また、受講者の便宜を図るため、多くの受講者のおられる地域やオンライン受講なども検討していきます。なお、当協会は、会員から会費をいただいていないことから手持ち資金がありません。研修会の講師量や会場費などは、今回の助成金を活用しますが、研修の際には多少費用を申し受けることもありますので、ご承知おきください。
2. 申し込み先とお問い合わせ
伊藤和男 電話 090-4370-2522
染谷雄一 電話 090-3210-1429
皆様のご参加をお待ちしております。